チーク材のデータ その2 天候と土壌
そろそろミャンマーも雨季に入ります。雨季ではスコールの様な雨が降ります。ヤンゴン市の6月の月間降水量は500mmを越えます。これは東京の6月降水量の倍以上です。
実際に、大粒の雨が降り注ぎ視界が悪くなるほどで、無舗装の道なんかは水没してしまうような感じです。
6月のチーク材貯木風景
さて、チークが生育できる箇所の年間雨量は、800~3,500mmと結構幅が広いです。気温も摂氏2~48度となってます。
その中でも、成長に適しており目の詰まった高品質の原木が育つ環境は、年間降雨量が1,200~2,500mmで、3-5ヶ月間乾季が訪れる気候といわれております。
また、土壌としては土かさがあり、水はけの良い肥沃な土地が良いとされます。石灰岩や玄武岩などからなる土壌が良いとされ、特に土壌中にカルシウムを多く含んでいると、目の詰まった良質なチーク材となる傾向があります。土壌のpHとしては、6.5~7.5が理想的だそうです。
チーク材で白いカルシウムが表面に出ている物がたまにありますが、それは良い土壌で育ったチーク材の証です!
チーク材のデータ その1 チーク林の面積
先日、ミャンマー出張の折にチーク材に関する学術文献を入手しました。(『TEAK DOMESTICATION & BREEDING』と『Teak in Asia』)
その中でもユニークな情報がありましたので、少しずつ紹介していきます。へぇーと言う程度で聞き流してください。
まず、東南・南アジアにどれだけチーク林があるのか。同地域のチーク林の面積は2,900万ヘクタールです。これは、北海道3.5個分の面積、または日本の森林面積(2512万ha,森林林業学習館サイト)の1.15倍に匹敵します。
その中で、ミャンマーのチーク林は1,652万ヘクタールでアジアチーク林の50%強になります。
上記の図はチーク林の分布を表した図です。
インド・ミャンマー・タイ・ラオス・インドネシアなどがチーク林を有しております。南緯10度のインドネシア・ジャワ島から北緯25度近辺のミャンマー北部まで、縦長でバラエティに富んだ分布です。
ちなみにミャンマー北部は結構寒く雪も降ります。
さて、そんな中でチークの成長に関連する4つの要因
天候・土壌・標高・日光
について、次回以降記載していきます。