2023 ミャンマー出張
8月の終わりにヤンゴンへ出張してきました。クーデター・コロナ規制で約3年振りの訪緬です。タイ・バンコク経由で向かいました。
現地スタッフより、夜に移動するのは安全上よくないとのことなので、現地午前着便を選んでいきました。空港の両替では1$=2,500Kyatとのことでした。事前情報では3,500Kyatだったので、空港はかなり悪いレートと言わざるを得ません。両替せずに入国します。空港から市内へは検問が多く、渋滞しているので、迂回する道で市内に向かいます。
到着早々、お気に入りのカッチーカイ(Kat kyi kaik)です。これは、Myiek州の郷土料理でスパイシーな焼きそばといった感じです。いつも飲んでいたMyanmar Beerはボイコット製品となっていて、Tiger Beerを頼みました。クーデターの影響を感じます。
さて、製材の方はというと、停電が多いので発電機を併用しながら行っているとのことです。世界的な原油高・インフレなので発電費用もコストアップ要因となります。クーデター以降、停電が頻発しており、発電機がないと生産が安定しない状況です。原木については、クーデター後の内戦により、産地からヤンゴンへの入荷が不安定になっているとのことです。
一方でサウジアラビアの開発プロジェクト向けに、多くのチーク材が落札されており、現地価格は高騰したままとなっています。今回は3社を回ったのですが、製材所によってチーク材の調達に差があるなと感じました。
取引先から現在の為替規制について説明を受けました。輸出業者が得た米ドルについては、一定の期間以内に政府の決めた公定レートでの兌換を義務付けられており、その運用が厳格に行われるようになったとのことです。具体的には空港のレートと同じレベルの1$=2,100kyatでの兌換となり、市中のレートと1$あたり1,000kyat以上のロス(約30%)となります。この影響は凄まじく、当面は輸出はしないという会社が増えているそうです。
この為替規制は、ミャンマーは天然資源が豊富なので、これを加工して外貨を獲得し、経済発展を進めるという戦略から外れているように思います。現在の状況では、損をするので誰も輸出をしたがらなくなっています。
一刻も早くクーデター前の、自由で潜在的な成長力を秘めたミャンマーに戻ってきてもらいたいと感じました。
当社のミャンマーチーク事業は、万策を尽くして継続して参りますので、引き続きご愛顧よろしくお願いします。
ミャンマー現地情報
前回の更新から すっかり時間が空いてしまいました。
3月までは日本では消費税の増税などもあり、ご注文を数多くいただきました。ありがとうございました。ミャンマーチーク・アジアンウォールナットを末永くよろしくお願いします。
ミャンマーでは4月1日以降、丸太輸出が規制されました。ミャンマー政府には、丸太をポンポンと輸出するのではなく、家具や建具など付加価値の高い製品に仕上げて輸出することで、自国内に木材加工産業を広げる意向があるそうです。この政策はミャンマーから製品を輸入している弊社にとって追い風となると期待しております。
そんなわけで、4月以降の状況がどうなっているかミャンマーを訪れていました。
5月・6月積みの貨物の原料を確認しました。特にTS120用の材料と框用の材料は目が詰まっていい感じです。
提携工場の方の話では、丸太輸出の禁止により、チークなどの原木丸太の伐採を行ってきた会社は非常に厳しい状況となっているようです。そのため、丸太の間伐業務を今後縮小せざるを得ず、そのことがチーク材の供給と価格にどのような影響が出るのか注視する必要があります。
ただし、弊社の提携先では今年度分の原料丸太の確保は済んでいるので、すぐに供給に支障がでることはないとのこと、ホッとしました。
ちょうど訪問していた翌週から、毎年恒例のミャンマー水掛け祭りが開催されるとのことで、街中には山車や演奏するステージなどが立ち並んで、早くもお祭り気分です。
工場の従業員の方には早くも連休に入っている人もいて、工場は閑散とした感じでした。10連休とはうらやましい限りですね。
噂のティラワ工業団地に行って来ました
3月にミャンマーへ行ってまいりました。
今回は定期出張に加えて、中小企業庁主催のミャンマー官民合同ミッションにも参加しました。
定期出張では4月積み貨物のアジアンウォールナットAWN12とチークTS90の検品、及び2013年度の価格について打合せました。2014年度からの原木丸太の輸出規制が始まるので、規制前に買い溜めしておこうとする海外バイヤーによって原材料価格が上がっています。
また、国内製材業者も必要数量を確保する為に、海外バイヤーから買い戻すことなどもしているようです。
その為、市場でのチーク材の価格も上がっているようです。写真はティラワ工業団地にある港湾施設から出荷されるチーク丸太です。
申し訳ないのですが・・・、弊社の販売価格も次回の船積み分より既存品は5-10%ほど値上げの予定です。
一方、価格を抑えた新商品の企画を進めております。今年度中には上市したいのでご期待下さい。
さて、官民合同ミッションに3月23-25日で参加してきました。現地商談会の他、ティラワ工業団地およびティラワ港視察、ネーピードーで投資担当の官庁の方のプレゼンと盛りだくさんの内容でした。
日本・ミャンマー両政府の肝いりで開発しているティラワ工業団地は、経済特区も設定があるらしく、日本から製造業を中心に多くの方が関心を寄せておりました。
いまはまだ野原ですが、発電所・上下水道などのインフラを整備して日本を始めとした外資を呼込みたいとのことです。
ミッション参加者の方と話をすると、今回の民主化・外資誘致は本気だ!という方や投資するにはまだ時期尚早だなーとか様々な意見がありました。
私の感覚では、現大統領の下民主化・経済改革は待ったなしで進んでいる感じがします。現地のお客さんの話では、実際の数値には現れてこないけど、ミャンマーの人々の中に「お、なんだか経済成長・発展してきているな」という雰囲気があるということです。また、現大統領の政策も国民に人気が高いようです。例えば、携帯電話のSIMカードを格安で販売するようにトップダウンで決定するなど大胆かつ果断に進めているそうです。私が2005年に初めて訪問した時とは隔世の感があります。
さて、今年も恒例となった児童支援活動をしている保育園へ訪問しました。この保育園では、両親がいない児童や経済的な問題のある家庭の児童へ食事・教育・保健・遊びの場を提供しております。今回は現地パートーナーの計らいでオモチャがプレゼントされました。おかげでみんなテンションが高いです。ミャンマーでは物価が安いので、少ない支援でも大きな効果を生む事ができます。弊社では、皆様から頂いた収益の一部をこのプロジェクトに当てています。
またミャンマー出張に行ってきました ミャンマーお役立ち情報
雨季のこの時期ならば、空いているのではないかと予想してミャンマーへ出張に行ってきました。
しかし、ホテルは予約が取りづらく価格もかなり高騰しております。(4つ星以上のホテルは軒並み1泊150~200ドルでした)たしかに、空港やホテルは外国人で混雑しており、昨今のミャンマーブームを反映しております。日本人の訪問も以前よりも多くなってますね。
空港に公認の両替所があるので、到着時に米ドル→現地通貨チャットに交換できます。出張時は1ドル880チャットでした。少しドル高になりましたね。空港の両替所は夜9時までしかやっていないとのこと。なお、タクシーなどは米ドルでの支払いもOKです。
街中の両替所でしたが、$10札や$20札などの小額紙幣は為替レートが悪くなります。また、ドル紙幣に書いてある肖像画の印刷がブレていたり汚い紙幣の場合でもレートが悪くなることがあります。
さて、訪問は半年ぶりだったのですが、ヤンゴン市内は綺麗な日本車が増えましたね。なかにはBMWやメルセデスも!相変わらずタクシーにはポンコツ車が多いのですが、お客さんの車などは高年式のランクルやハイエースで快適ドライブです。ただし、交通渋滞が酷くなっていて、市内から工業地帯へ行くための時間が余計に掛かるようになっています。急ぐ人は朝早く出ましょう。また、雨が酷い時は学校送迎車が多くなるので、学校の側には近づかないようにしましょう。ドン詰まりに嵌まります。
また、仕事の合間を縫って新規オープンしたショッピングモール「ジャンクションセンター」に行ってきました。シネマコンプレックスやゲームセンター、ブティックなど日本のショッピングセンターと変わらない作りです。娘の土産にかわいい髪留めピンを買ったのですが、300円/個と比較的高いなーと感じました。(髪留めピンの相場は分からないのですが・・・。)小さいお店などは米ドルが使えなかったり、計算レートが悪い場合があるので、その場合は3Fの両替商でチャットに変えた方が良いかもです。
ちなみにこのモールの前の道は、中古車を扱うディーラーが集いショールームのようです。ホンダ インサイトが燃費も良くて人気だそうです。
今回の出張では美味しいレストランに結構当たったと思います。以下、お薦めです。
・Eugenia cafe (Kyay Ohというビーフン麺がラーメンのようで美味です 1杯270円です)
・Ichiban-Kan(日本人の方が経営する和食レストラン、日本の味と変わらずホっとします)
・Feel Myanmar food (ローカルに人気のミャンマー料理屋さん、お惣菜屋さんのように実物を見て選べます。選びすぎに注意です)
・Goldenduck Restaurant (こちらもローカルに人気のミャンマーレストラン。チャーシュー・エビがすごく美味しい)
ミャンマー料理は味がしっかりしていて、とても美味しいのですが、油分が多いので旅の後半少しモタれます。ガスター10などの胃腸薬でスッキリしますが、食べ過ぎに注意が必要です。
ミャンマービールも味がしっかりして料理に合います。日本人に合う味だと思います。
チークの樹木写真
先日の出張の際、50年生くらいのチーク生木の写真を撮りました。ヤンゴン市内で見れるチークとしては、大きなものになります。
枝の先に、なにかフワフワしたような部分が見えますが、ここに種がついています。木の下には無数の種子がありました。
ここでミャンマーチーク あるあるです。
- ミャンマー産チークは天然林に自生し、多様な樹種の中で育つ広葉樹です。
- 特に落葉混成樹林でよく育ちます。
- チークの成長に最適な年間雨量は1,200mm~2,500mmです。
- 土壌はpH6.5~7.5で、カルシウムが多い土壌だと良いチークが育ちます。
- 強い日差しが必要な樹木です。特に苗木の時に日光が充分でないとよく育ちません。 現地では朝日が良く当たる東側斜面のチークは育ちが良いとされています。
- 最適な気温は27-33℃。凍結するような寒い場所では生育が難しいです。標高としては海抜900mまでが限度です。
- 現地では”熱を蓄えている”木として、ほんわか暖かい樹種と言われています(一方でピンカド材は”冷たさを蓄えている”とされ、ミャンマーのように気温の高い国ではピンカド材が好まれています)
日本でも育つかな・・・と思ったのですが、強い日差しが必須となると難しいですね。
ミャンマー産チーク材の特徴は過去記事のチーク材のデータもご覧下さい。